Voice 可児冬弥(2021年所属:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 車載事業部):ストカスティック計算に基づくニューラルネットワークの設計



情報工学科を選択した理由







実は私の学部2年進級時の学科第一希望は知能工学科でした.しかしGPAが足りず第二希望の情報工学科に配属されました.当時は少し落ち込んだような記憶もありますが,今ではなぜあのとき情報工学科を第一希望にしなかったのかと思うほどです.これは情報工学という分野の幅広さ,応用力に魅せられたためです.コンピュータやネットワークの基礎をしっかり学ぶことができるため,そこから発展させられた現代の技術にも柔軟に頭を働かせ理解することができるようになりました.




研究について




可児君は最優秀修士論文賞を受賞しました。



私の研究は「ストカスティック計算に基づくニューラルネットワークの設計」です.ストカスティック計算は現在主流である2進数に代わる確率的な演算手法です.一方ニューラルネットワークは人間の脳(神経細胞)を模した計算モデルです.ストカスティック計算は確率に基づくある意味いい加減な計算のため,皆さんが普段使っているような電卓などに適用すると大変なことになってしまいますが,人間の脳のような,こちらもある意味いい加減な(人が人を見間違えたりなどなど)ものに適しています.なので私の研究はコンピュータがいい加減にサボるために人が頑張る,といったものになります.




研究室の活動を通して




簡単に研究の紹介をしましたが,残念ながらストカスティック計算を扱う企業は多くありません.しかし,研究室ではプレゼンテーション能力や発信力,理解力などを日々のゼミやミーティングで鍛えられます.なかでも情報工学科はコンピュータの基盤から考える学科のためか,特に厳しく見てもらえるため,就職には特に困りませんでした.これらの力は,就職活動だけでなく学外の発表会やセミナーなどにおいても発揮され,その度自身の成長を実感することができます.




最後に




情報科学部の4つの学科のなかでも,情報工学科は一見地味でとっつきにくい印象をもたれるかもしれません.それはその通りで,まったく返す言葉もありません.しかし,花形ともいわれる機械学習をとっても,なにか製品にして世に出したい…と考えると情報工学の知識はどうしても必要になってくるものです.進む道を決めている人も迷っている人も,そんな情報工学に一度意識を向けてもらえたらなと思います.




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